「これからあたしは挨拶に行かなきゃいけないんだけど...。妃菜、1人で大丈夫?」
これも沙理ちゃんが令嬢だからの使命。
色んな家との繋がりをずっと続いていくために。
「大丈夫だよ。端っこで食べたりしてるから」
「そう。ごめんね。なるべく早く戻ってくるから」
申し訳なさそうに言って沙理ちゃんは人混みの中に入っていった。
私を1人にすることを心配してくれているんだろう。
確かに私も沙理ちゃんと離れることは寂しいし、怖い。
何も分からない場所で1人でいるのは。
できるだけ存在感を消して端っこにいよう。
「妃菜」
そう思って端っこに移動した時だった、声をかけられたのは。



