「翔和、またね」
「またね、姉さん」
その会話は姉弟であることを示していた。
「妃菜ちゃんもありがとう。あなたのおかげで、ようやく前に進めたわ」
「いえ。私こそ楽しかったです」
最後に海城さんと視線を合わせてから、背を向けて歩き出した。
翔和と一緒に駅に行って電車に乗り込む。
前まで電車の乗り方が分からなかったのが嘘のようにすんなりと電車に乗る翔和。
ずっと王子様の翔和が電車に乗ることはアンバランスだと思っていたけど、最近は慣れてきてしまったように思える。
こうやってたくさんのことを吸収して、翔和はたくましい後継者になっていくんだろう。
海城さんの思いも家族の思いも全て背負って。



