【完】王子様と呼ばれる彼は中身も完璧に王子様だった件




「そんな顔しないで。あの世界じゃ当たり前のことだから。家を捨てた人は裏切り者のレッテルを貼られるの」



どうして海城さんはそんなに明るくふるまえるんだろう?



「海城さんは寂しくないんですか?自分の存在は消されてしまったのに....」



「寂しくないわ。あの時の決断は間違ってなかったと思っているから。確かにリスクある決断をしたと思うけど、家を出たから今こうして夢を叶えられているんだもの」



そう言って笑った顔は翔和にそっくりだった。



「今もあの家にいたら私は夢を諦めて後継者になっていたかもしれない。デザイナーの夢を諦めていたら、絶対に後悔していたと思うわ」



海城さんがいたら、後の後継者は翔和じゃなかったかもしれない。