スタッフさんに言われた通りに歩いてみると、さっきよりは歩きやすくなった。
こけないように慎重にと思うとめちゃくちゃゆっくりになってしまったけど、スタッフさんは笑顔で付き合ってくれた。
「もうすぐ到着ですよ。頑張ってください」
その声に支えられて慣れないヒールで頑張って歩いた。
きっと翔和を待たせてしまっているだろうと思いながら。
「無事にご到着です!」
ようやくお目当ての場所に着いたようだ。
ずっと下を向いていた顔を上げた。
「彼氏さんはもうお待ちになっていますよ」
彼氏じゃないと否定することすらできない状態に私はなってしまった。
「........」
だって声が出ないんだもん。
目の前に広がる光景に。



