【完】王子様と呼ばれる彼は中身も完璧に王子様だった件




その時を誰と過ごすかで、思い出の濃さなんて簡単に変わってくる。



家族で、友達で、恋人で、過ごすのとでは全然違う。



自分にとってどんな存在かが大事ってことだね。



「それならよかった。僕ばかり、楽しんでいたらどうしようかと思っていたから」



「私も十分に楽しんでます。翔和と祥悟と一緒に来ることができてよかったです」



こんなに綺麗な夕日を見ることができたのも、2人と海に来たからだ。



夏休みの間に素敵な思い出ができて本当によかった。



隣を見ると、夕日でオレンジ色に染まった翔和の姿が見えた。



今にも夕日に吸い込まれてしまいそう。



翔和を見ているとたまに感じるこの儚さは何?



ガリガリなわけじゃないのに、細くて消えてしまいそうな気がする。