【完】王子様と呼ばれる彼は中身も完璧に王子様だった件




祥悟は優しい表情で翔和のことを見ている。



「翔和は海に来るのは初めてなんですか?」



「いや、何度か夜に来たことはあるな。だがこんな大勢の人がいる夏の午前中から来たことはないな」



夏じゃない季節の夜に海に来たということ?



「どうして夜に?」



「昼間は学校があって、夏休みはずっと家のためにずっと勉強をしていたから遊ぶ暇なんかなかったんだ」



「夜しか時間がなかった....?」



「あぁ。だから少しでも時間がある夜に連れていったことはあるはずだ。翔和は今まで外で遊んだことなんて数える程度しかないからな」



それが朱雀家に生まれた定めというものなんだろうか。



遊ぶことすら許されず、ただ勉強しかできない日々なんて辛くないのかな。