「....ありがとう」
隣の慶一郎の頬から涙がつたったのが分かった。
中学生ながらに色んな想いを抱えていたんだと思う。
自分の小さな器から零れ落ちてしまうくらいのたくさんの想いを。
「どういたしまして。姉弟なんだから迷惑かけても気にしないの。姉として慶一郎のことは誰より分かってるつもりだからね」
親よりも近い存在って姉弟だと私は思ってる。
一緒に育ってきていつのまにか姉としてどうふるまうべきかを考えるようになった。
かわいい弟の反抗期。
長かったけど、それも今回で終わりかな。
私と話したことで少しでも複雑な思いが解消されたらいいな。
慶一郎にとって有意義な時間になっていれば。