キャンディを舐めながら、あたしは思う。このキャンディは甘くておいしい。でも、ご褒美なら先輩がキスしてくれるだけでも充分なんだけど……。

「先輩、キスして?」

あたしがそう言うと、先輩は「はあ!?ここ、外だぞ!!」と真っ赤な顔で言う。でも、その唇を重ねてほしい。あたしは可愛さを意識しながらおねだりする。

「頑張ったご褒美、まだほしい」

先輩をジッと見つめる。先輩は、少し躊躇っていたけど「しょうがないな」と言いながら人気のない場所へあたしを連れて行った。

トン、とあたしの背中が路地の壁に当たる。目の前には先輩。体は密着していて、もう逃げることはできない。

「言っとくけど、俺さ、今理性がぶっ飛びそうなわけ。止められなくなっても文句言わないでね?」

「はい。先輩、早く」

チュッ、と音を立てて唇が触れる。私が喜びに浸る間もなく先輩はキスを激しくしていく。熱くて、キャンディの甘さを忘れてしまいそう。

「甘っ……」

先輩はそう言って、あたしの唇を舐めた。