「まだ決めてないよ。ねえ、一人で大丈夫だって言ったでしょ」

すると彼はダメだと話した。

「痴漢にあったらどうするんだよ。いいじゃないか、家が近くなんだし……なんだよ、そんな顔して」

自分をじっとみる彼女はここで不思議そうな顔をした。

「なんか、お父さんみたいだなって」

「やめてくれよ?お前の父さん、超ー怖いし?」

こんな二人を乗せた駅までのバスは桜の坂道を優しく揺らしながら明日へと進んでいくのだった。


つづく