彼女を不登校に追い詰めてしまった彼は、ずっとすみれに謝りたいと思っていたと話した。

「もしかして。高校もそれでここにしたの?」

「そ、それは……」

彼は恥ずかしそうに頭をかいた。

「それだけじゃないけどな。でもやっぱり謝りたくて」

「……」

「本当ごめん!あの、いまさらだけど」

彼の真剣な顔にすみれは胸が熱くなった。

「いいよ。もう。良ちゃんがいじめたわけじゃないし」

「すみれ」

「いいよ。帰ろう」

こうして二人は無言でバス停まで一緒に歩いた。


「良ちゃんは何の部に入るの」

「決めてないけど」

「良ちゃん、あのね」

「はい?」

「私は平気だから。ちゃんと好きな部に入ってね」