「そうなんだ」
「まあね、失礼ね!清掃会社のどこがいけないの?ゴミを出さない人なんかいないのに」
ぷんぷん怒る美友にすみれは、小さくうんとうなずいた。
「街を綺麗にしてくれているのに!そんな意地悪を言う人のゴミなんかボイコットしてやれば良いのよ!」
「あ、ありがとう」
「だいたいね。子供と親は関係」
「わかったから!そんなに興奮しないで?はい、これ飲んで」
「はい、お菓子。でも嬉しい。そう言ってくれて」
「いただきます……美味しい?」
口に物が入って静かになった美友を他所に芹那はその間、どう過ごしていたのか何気に尋ねた。
この二人から同じ匂いがしていたすみれは、久しぶりに同世代の女子と話すので急に気が緩んで話をし出した。
「おばあちゃんがお茶の先生だったからお稽古したり。おじいちゃんが肥料を使って温室でお花を育ているから、一緒に蘭とか育てていたの」
「学校よりも楽しいじゃん?」
「でも寂しかったわよね。私もずっと病院だったから」
「美友ちゃんは病院にいたのね」
すみれは健康なので、療養していたと呟いた美友に胸が痛んだ。
こんな空気の中、芹那も重い口を開いた。
「実はね。私も中学の時にトラブルになってさ」
カミングアウトが始まったが女子達は飲み物をガンガン飲んで続けていた。
「同じ部活の人のお金を取ったって濡れ衣着せられてさ。私じゃないのに」
「大金だったの?」
「うん。ユニフォーム代を集めたばっかりだったから」