こんな美友に芹那はどういう関係か聞いていた。


「親同士が仕事で一緒なの」

「それにしては仲が良さそうで」

「そう?疾風君は人見知りだから、私を頼っているのかな?」


「へえ?」


そんなお気楽な美友は男子の走りに声援を送っていた。






「おいおい、お次は女子だ!遠投だ!」


脂汗の山下は女子達に声を張り上げていたが美友はそっと芹那に声を掛けた。


「何をするの?」

「ん?ボールを投げるんでしょう?」

「どうしよう?私は変化球は投げられないわ……」




つづく
<2020・2・28>