「どの彼女?切らさずいるからわかんねえし?それよりも薫兄は?」
「仕事が忙しいから放って置いたら振られた」
「「アハハハ!!」」
「お前ら?本当に失礼!!」
怒る日永を丈一郎と疾風は笑いながら謝った。
「ハハハハ、っていうか?疾風は」
「そうだよ。中等部でお前はバレンタインで1番人気だったって聞いたけど」
「うるさい!そんなの知らねえよ」
ぶうと膨れた彼に日永と丈一郎はおや?と首を傾げた。
「要らないんだよ、俺が欲しいのは、あれ?」
気がつけば疾風のスマホが鳴っていた。
「これは……うわ。ナンバー変わってねえのか」
「まじで?」
「良いから出ろ!早く!」
「わかってるよ。もしもし?」
耳には優しい声が聞こえてきた。
『疾風君?あのね、美友だけど、明日は何時に行けば良いの?』


