そして日永は疾風を後部座席に乗せた。
「薫兄も運転できるようになったんだな」
「本当失礼!お前ら降りろ!」
「まあまあ。そんなに怒るなって!」
この一行は疾風の家族が経営している中華レストランの個室にやってきた。
「ここなら誰もいないし平気だぜ。父さんがさ、好きなものを注文して良いってさ」
「さすが酒星シェフ!俺は1番高いものにするか、すいません!フカヒレスープに、アワビのステーキで」
「丈一郎はさすがだね?僕は北京ダックに帆立とブロッコリーの炒め物」
「好きだな?俺はチャーハンで!」
こんな三銃士は明日から登校するお嬢様対策を打ち合わせしていた。
「で。どういう女の子なの?」
「俺も最近会ってねえんだけど」
疾風はオトボケの女の子だと話した。
「昔から世間知らずののんびり屋さんだよ?牛乳に刺すストローの向きもいつもチクチク手に刺して確認してから刺すんだもん」
「わかりそうなものだけどね」