「中等部には私が連絡しておくよ」


こんな二人は家に向かって帰っていた。

「お前、本当に通う気なんだな」

「うん。お爺ちゃんがごちゃごちゃ言っているけど、通ってみせるわ」

まだ2月の風は寒く彼女がブルっとしたので疾風はそっと寄り添った。

「まあ、俺も通うから、ついでに面倒見てやるよ」

「そんなこと言って、私に甘える気でしょう?疾風君は昔から、あ?」

風が急に吹き美友の手から絵が飛びそうになったが、疾風がこれをジャンピングキャッチした。



「ありがとう」

「あのな?こんなの誰かに見られたら俺は生きていけないからな、あーあ。それにしても腹が減ったな……そうだ!チャーハンだ!お前、俺にチャーハンつくれ」

「ええ?しばらく作ってないからどうかな」

「いいよ。何でも、お前が作ったんなら」

「そう?じゃあ。今日を祝ってチョコチャーハンにしよっと!」

「お前!今日がバレンタインだって知ってんじゃねえか?」


キャハハと笑って逃げる彼女を追う彼は、大好きな幼なじみと通うこれから始まる高校生活に超胸をドキドキさせながら、まだ芽のない桜並木の道を一緒に歩いているのだった。


このつづきは
2月25日の本編で!