「あの、あなたは」


驚く美友に高等部2年の海棠丈一郎は長めの髪をかき上げた。

「俺はここのイケメンボランティアさんだよ?君は春からここに来るんだろう?お兄さんと仲良くしような」

「え?……」

そういって彼女にアゴくいした海棠を疾風がやめろ!間に入った。


「もう!なに調子良いこと言ってんだよ!美友が固まっただろう!」


「全くそうですよ。大丈夫ですか、美友さん?今のは忘れて下さいね」




ここでキーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴ったので、美友は身支度を整えた。


「皆々さま、それでは私は帰ります」

「一人で平気か?」

「たぶん。ええと太陽と反対の方へ行けば」

「ダメだ?疾風、お前が送ってやれ」