ここで疾風は本気を出して、警官の指導の元、ホイッスルを吹いた。
「どうぞ通ってください。おはようございます。お気をつけて……そこ!スマホは禁止です!あ、お婆ちゃんが通ります……」
疾風はゆっくり横断歩道を渡る高齢者に付き添い、安全に渡らせた。これをドライバーも待ってくれていたので警官はよくやったと褒めてくれた。
「いいぞ。君は警官に向いている!」
「……ありがとうございます。あ。終わりみたいですよ」
ここに終わった美友が疾風を迎えにきた。彼ら学生は授業があるので隊長の指示で解散となり歩いて学園に向かっていた。
「あーあ。面白かったわね」
「俺は疲れたぜ」
今日は遅刻しても怒られない彼らはのんびり歩いていた。すると道の前方に人だかりができていた。
「何かしら」
「なんだ?」
すると一緒に活動した2組の松本が事故のようだと言った。
「今。ネットで事故情報を見るから」
「松本君。歩きスマホはダメよ」
「美友は静かに。これって今起きたばかりじゃないか」
2組の女子の長谷川と一緒になり、四人で現場に駆けつけた。
「どうしました。あ」
大きな車が軽自動車に突っ込んでいた。人混みの中からは子供の泣き声が聞こえていた。


