「石?」
「黒曜石。縄文時代のナイフだよ」
「いいの?」
「ああ」
ここで発掘した石はまだまだあるから余裕余裕!と彼は話した。
「だからさ。来いよ。一緒に掘ろうぜお兄さんと」
「高校は勉強するところよ?」
すると彼は彼女の頭をポンとした。
「これも勉強でしょ!な?だから……また逢おうぜ」
「……うん!私、来ます。ここに」
「おう!」
「先生!ありがとう。握手してください」
そう言って去っていった彼女は微笑んでいたので彼はボーッとしてしまった。
「はれ?夢か……あ、あれ?」
彼の手の中には小さなチョコが入っていた。
「天使だな……え、バレンタインじゃん?さっきの子か?夢じゃないな、これは」
そういって立ち上がった彼はスコップを持ち上げた。
華やかな先生が居並ぶうらら学園の中、雑用係の自分に話しかけてくる女の子は初めてだった彼は、このプレゼントをありがたく胸にしまった。
発掘もうまくいかず最近挫けそうになっていた彼は、天使のチョコを胸ポケットに収めると、校内の仕事へと向かって行ったのだった。
この続きは
2月25日公開で!
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