これを聞いた疾風と日永は美友を教室に送ると、理事長室に向かった。
「もう、何?」
「一体、何なんですか?」
「何なんですかとは何なんですか!?お前達!美友はすっかり、高校デビューではないか?!」
ここに遅れて海棠が顔を出した。
「調子よさそうじゃないですか」
「ちっとも良くないわ!?どいつもこいつも、役に立たずのろくでなしで……」
そういって岩鉄は立ち上がると三人に向かった。
「今朝なんか、美友はご飯をお代わりしたんじゃぞ!」
「いいじゃないですか?」
「……戻っていいですか?ホームルームなんですよ」
「俺も帰りたい〜!」
「くそ!そして……美友の部活はどうなったんじゃ、報告せよ」
三人は計画通り生物部に仮入部したと説明した。
「そっか。温室か……」
岩鉄はそっと長い睫毛の目を伏せて呟いた。
「……『あーんして 苺をくれた君が好き ハウスの温度 常夏になる……』でどうじゃ?」