「おっと?これは……」

今まで彼の知っている女子は優しくすればうっとりするのに、美友は怒っており、しかも自分を助けるといってくれたので海棠はマジで嬉しくなっていた。

「本当ですよ!それに、いちいちこんなキスなんて。彼女でもないのに軽率ですよ」

「じゃ。美友ちゃんが彼女になってよ」

「そういう事が軽率だって言ってるんです!もう!怒りますよ?」

「ふっふ」


腰に手を当てて笑っている海棠に美友は本当に怒っていた。


「もう!」

「あはは?だってさ。美友ちゃん、もう怒ってるし?」

「言い訳なんか聞きたくないです!」

「まあまあ……な?仲直りしよ!温室だろう?行こうよ」

「一人で行きます!」

「そう言わないで!どうせ場所わかんないだろう?なあ、お兄さんの顔を立ててよ」


こんな調子の良い海棠は美友の腕を組んで温室に向かったのだった。

生物部の部長は海堂の紹介であるし、顧問の日永に美友の事を聞いていたのであっさり
彼女を仮入部させた。



「海棠、疾風は?」

「空手道場じゃね?」

「私、言ってみたい!」

こんな美友は今度は日永と疾風の元に向かったのだった




つづく