1 三銃士 海棠丈一郎 かいどう じょういちろう



「俺がお嬢様のお守り?なんでそんなことすんの?」

「……理事長のご命令だ。黙ってやれ」

うらら学園高等部2年の海棠丈一郎は、バスケ部に顔を出した夜、風呂から出た父からそんな重要な話をサクっとされた。


これに驚いたエプロン母が真顔の夫にビールを出しながら尋ねた。



「ダーリン。ちゃんと丈ちゃんにも説明してくださらないと」

「その前に服を着ろよ。調子が狂うじゃないか」

「見なきゃいいだろう。私だって色々あるんだ」


警察関係の父はうらら学園の理事長には世話になっているのでここに通っている息子にとにかくやれ!と言った。

「私だって関わりたくないが、これは私の出世がかかっているんだ」

「どうでもいいし?」

「何を言うの?丈ちゃんのお小遣いの金額が変わってくるのよ、ねえ。ダーリン」

「愛しているよ?ハニー」

「ごちそうさまでした」


そんな彼は自室に行き一人ベッドに転がると、他の二人の仲間に連絡した。