「忍さん。…一人より、二人。二人より、三人。…忍さんには、沢山愛してくれる人がいるではありませんか」
「あ、ああ…」
「誰かと一緒だと、寂しくないですよ」
誰かと一緒…
そう言われた瞬間。
忍の中で何かが弾けた様な気がした。
「え? 」
驚く声で、忍は気づいたらフェアディーの事を抱きしめている事に気づいた。
「あ…あの…」
驚いて、どうしたらいいのか分からないかをしているフェアディを、またギュッと忍は抱きしめた。
「…一緒にいて、今夜は…」
ちょっと緊張した声の忍。
じっとフェアディーを見つめている忍は、とても真剣な目をしている。
「…好きです。貴女が…」
「え? 」
「初めて見た時からずっと、好きです。私と、一緒にいてくれませんか? ずっと」
「ずっと? 」
「はい、ずっと一緒にいて下さい」
冗談?
そう思ったフェアディーだったが、忍の目はとても真剣な目をしている。
その目を通して感じられるのは、忍の熱いハート…
「ダメですか? 私では」
「あ…あの…。だめとか、そうゆうのじゃありませんが。…ほら、私は忍さんより随分と年下ですから。きっと、親子くらい離れていますよ。なので、私なんかより…」
「年が離れていると、好きになってはいけませんか? 」
「い、いえ。そうは言いませんが…」
「じゃあ、私がもっと若ければ貴女に恋しても許されるのですか? 」
「そうゆう問題でもありませんが。忍さんには、亡くなられた奥様がいらっしゃるじゃないですか」
「亡くなった妻がいると、もう人を好きになってはいけないのですか? 誰も、愛してはいけないのですか? 」
「そ、それは…」
フェアデーは返す言葉が見つからなくなり、俯いてしまった。
「亡くなった妻は、もう次のステージに行ったようです」
「え? 」
「もう1年以上、妻の声は聞こえません。夢にも出てきません。いくら呼び掛けても、何も答えてはくれなくなりました。最後に聞こえたのは「貴方は自由に幸せになって下さい。今まで有難う」と言っていました。それが最後に、何も聞こえません。仏壇の前に行っても、何も感じなくなりました」
この人…亡くなった人と話せるの?
驚くばかりで、フェアディーは何を言っていいのか分からなくなってしまった。



