宗田家に着くと、フェアディーは広い家に見とれていた。
玄関を開けると灯りがつく。
「どうぞ、誰もいないから気兼ねしないでいいよ」
靴を脱いで上がってゆく忍を見て、フェアディーもパンプスを脱いで上がった。
リビングのソファーにフェアディーを座らせ、忍はお茶を入れ始めた。
広いリビングを、フェアディーは見渡している。
窓際に置いてある観葉植物が目に入り、フェアディーは歩み寄って行った。
綺麗にされている葉っぱに触れてみるフェアディー。
しばらく葉っぱに触れていると、フェアディーは少し悲しげな目をした。
「どうぞ、お茶入れたから飲んで」
忍がテーブルにお茶を置いてくれた。
お客様用の湯飲みに、暖かい緑茶。
その香りがとてもよくて、フェアディーは嬉しそうな目をした。
「わぁ…とっても美味しいですね。初めて飲みました、こんなに美味しいもの」
「へぇーそうなんだ。緑茶は飲まないの? 」
「緑茶? この飲み物は、緑茶というのですね? 」
「ああ、そうだけど…」
「そっか緑茶ですか…」
ゆっくりと飲みながら、嬉しそうなフェアディーを見ていると、忍は不思議な気持ちになった。
「…忍さんは、ここにお一人で暮らしているのですね? 」
「ああ、そうだよ」
「とっても広いお家に、お一人で住んでいらっしゃるのは…忍さんが、まだ悲しい思いをしているからですか? 」
え?
驚いた忍は、じっとフェアディーを見つめた。
フェアディーもじっと忍を見つめている。
見つめられている瞳は、透き通る青色でとても綺麗。
まるで何もかもを見透かしているようで…



