「ご、ごめんね幸喜君。遊べないわけじゃないけど、幸喜君が一緒に遊んで楽しいかな? って思ったの」
雪がフォローしくれてた。
「大丈夫だよ。僕、お姉ちゃんの事大好きだから楽しいよ」
「そうなの? そんな風に言われると、嬉しいです。じゃあ、時々遊びましょう」
「うん。絶対だよ」
「ええ、いいわよ」
幸喜は満面の笑みで喜んでいる。
その笑みのつられて、雪も笑いを浮かべた。
冬季はちょっと心配そうな目をしている。
笑顔で帰ってゆく幸喜を見送って、雪と冬季は車で帰って行った。
それから。
幸喜は雪が帰るくらいに、スーパーに来るようになった。
車で送り迎えをしてもらっている幸は、冬季が来るのを待っている。
その間、一緒に他愛ない話をしている幸喜と雪。
話している中で、雪は重い病気ではないが、2か月前に事故に遭って大怪我をして頭を怪我した事からあまり長くは外にいられないようだ。
スーパーで働くのも3時間か4時間。
冬季が迎えに来る約束で働くことを許してもらえたと話している。
事故でけがをして、回復したばかりで無理をしてほしくないと冬季は言っているが、いつまでも冬季にばかり負担をかけてはいけないと雪は思っているようだ。
冬季はいつも17時30分くらいに雪を迎えに来る。
総務の仕事は残業がほとんどないため、定時で帰れる。
そのため時間がきっちりだ。



