隣にはまだ帰りの用意をしている様子の一ノ瀬くんがいる。 一ノ瀬くんに話しかけられる前に、早く帰らなきゃ。 私はそんなことを思い、急いで教室から出た。 私が急ぎ足で廊下を歩いていると誰かに腕を掴まれた。 後ろを振り向くと、ちょっと怒っているような一ノ瀬くんがいた。 私が無言で俯いていると、一ノ瀬くんが口を開いて、 「ねぇ、なんで俺のこと無視するの?」 と聞いてきた。