カーテンの奥には一ノ瀬くんの後ろ姿が見え、その背後には顔をこちらに向けて意地悪そうな顔をしている西園寺さんがいた。 私は思わず、 「あっ...、まっ!...っ...」 と声を出したが、途中でやめた。 今声を出したって何をするのっ...? 出しても一ノ瀬くんと西園寺さんに迷惑をかけるだけっ...。 そんなことを思っていると一ノ瀬くんの、 「なんかさっき愛沢の声聞こえなかった?」 という声が聞こえた。