先ずは、成功。

チラッとソファーの方を見ると…………

同じようにこっちを見ていたお兄ちゃんと目が合った。

……………やっぱりカッコいい。

チョイチョイと指を曲げて呼ぶお兄ちゃんに

催眠術でもかけられたように

フラフラと近寄った。

ポンポンとソファーの隣を叩いて、座るように促すと。

一撫でして、お義父さんと同じように席を立った。




そのまま帰って来たのはお兄ちゃんだけで

お義父さんは、遠くで怒るお母さんに連れて行かれてた。

あれっ?

計画してた行動と違い、ちょっと戸惑っていると。

財布を片手に隣を座ったお兄ちゃんが………。

「何がパパだよ………。
クマさんを調子乗らすな。」って

いたずらっ子の顔をして、見つめて来た。

あっ、もしかして…………。

『お義父さんがコッソリお小遣い渡そうとしてる』って………

お母さんに告げ口したんだぁ~

ふふふっ。

相変わらず、お義父さんと私の取り合いをしてくれるお兄ちゃんに

好きとは違う

懐かしい感情がよみがえった。