「和花、響~
帰ろう!」

久しぶりの夏生とのデート。



あの日、マコちゃんの家を飛び出して

一人泣きながら夏生に電話をした。

『私がやっつける!』って宣言した通り

次の日には、マコちゃんとお兄ちゃんと響を呼び出したみたいで。

三人揃って、怯えた顔で夏生を見てるの。

その効果からか

響は

『もう暴走せず、和花に協力する。
……………ごめんなさい!!』って謝って

毎日、仮彼氏のまま送り迎えしてくれてるの。

最近は、塾を辞めた私の為に

帰りに図書館で勉強を教えてくれたりもしてるんだ。

だから……

久しぶりの夏生とのデート。

約束してから今日まで、ワクワクだった。

「ねぇ~
何処に寄って帰る??」

なのに、返ってきた返事は

「今から、和花のお家だよ。
一花ママには、電話でオッケーもらってるから。」って………。

えぇ~!

家なの~

今日は、ショッピングして夕ごはん食べて帰りたかったのに~

ぷぅ~って、膨らませた頬を

ピッて親指と人差し指で、挟まれた。

「拗ねないの。
ほらっ、行くよ!」って…………。