結局、曖昧に返事をしたまま次の日を迎え

夏生のいない1日になった。

夏生には『友達を誘って食べるように』言われたけど。

何となく誘う気になれず、祥兄ちゃんの見える裏庭に向かった。

ちょうど、お兄ちゃんも定位置のベンチに向かっていたらしく………

入口でかち合わせしてしまった。

「「あっ!!」」

久しぶりのお兄ちゃん。

ドキドキと緊張から…………

スッと横を通りすぎてしまった。

感じ悪いよね?と思いながら通りすぎようとしたところで……………。

グッと腕を捕まれた。

「ちょっと来い。」

聞いたことのない、低い声に謝ろうとしても。

グイグイ引っ張られて、それどころじゃない。

………………。

空き教室に連れていかれてもまだ、繋がれたままの腕。

本当だったら嬉しいはずなのに。

今はお兄ちゃんが怖くて声が出ない。

やっと絞り出した「……………………祥兄ちゃん。」

でも………

久しぶりに呼んだ名前に。

私もだけど。

お兄ちゃんも落ち着いたみたいで………。

ようやく顔をあげて、目を合わせてくれたの。