足首の痛みが和らいでから、再び歩き出す。
ずいぶん遠回りしてしまったけど、ようやく繁華街にたどり着いた。
……あ、いた。
友だちを見つけ、やや足を速めた。
「あー、やっと来た」
「んあ?」
行きつけのクレープ屋の前。
仲良くクレープを食べてる高校生2人が、俺に気づいて呆れ顔になる。
「日直にどんだけ手間取ってたのさ」
「遅ぇぞ」
「ごめんごめん」
両手を合わせて詫びれば、ため息と共にチョコバナナクレープを差し出された。
「はい、キユーの分」
「ありがと! 薫のおごり!?」
「なわけないでしょ。ほらお金」
ですよね。
よこせと言わんばかりに手をひらひらされ、渋々代金を渡す。
代わりにクレープを受け取った。
「ぴったりだね。どうも」
「おごってくれたってよかっただろ……」
「キユーの好みに合わせて選んでおいただけありがたいでしょ?」
「はいはい。ドウモアリガトウゴザイマス」
投げやりになりながらもクレープをパクリ。
んっ、うまい!
ご機嫌になった俺に、薫はクスクス笑った。



