負け犬の傷に、キス



さらに近くにいたもう1人の男も捕まえて、ピザ風クレープでもだえてる男と顔面をこすり合わせる。



おいしさと痛みのおすそ分けかな、あれは。

けっこうな地獄絵図だぞ。



楽しそうな柏は最後に、ピザ風クレープまみれの2つの額を思いっきり強く引き合わせた。



――ゴッツン!!!



「いっ!?」

「がっ!?」



あー、音でわかる。

今のすっごく痛い!


頭をゆらりゆらり回した2人の男は、星を飛ばすように白目をむいて倒れた。

白目は白目でも、充血して真っ赤になってる。




「ハハッ! いい死にざまだな!」


「死んでない死んでない!」




やめろって柏! 縁起でもない!

生きてるよ!
まだかろうじて息してるよ!




「あーあ、もったいない。食べ物を粗末にしたらバチが当たるよ」


「使えるもん使っただけだろ」


「食べ物をムダにしたのは同じでしょ」




薫は男のほうよりクレープの心配ですか、そうですか。



こっそり接近してきていた男に、薫は食べかけのクレープを無理やり食べさせた。

忍び足で近づいても薫にはバレバレだったようだ。



「半径1メートル以内に入ってこないで」