負け犬の傷に、キス




魔の手に勘づいていない津上さんを人質にして脅そうってこんたんだな。


だが残念だったな。

今日は“負け犬”だけじゃない。


双雷の3匹の犬が勢ぞろいしてるんだよ。




「薫! 柏!」


「はいはい」


「言われなくても殺るっつの」




俺たちは一斉に駆け出した。


俺が津上さんのそばに寄ると、薫と柏が男たちの前に躍り出る。




「え? え? く、草壁く……!?」


「大丈夫。すぐ片をつけるから」




状況についていけてない津上さんをうしろに下がらせる。


その間にも薫と柏は攻撃をしかけていた。



望空ちゃんの話だと、男たちはこてんぱんにやっつけられたんじゃなかったっけ。

おとといのことなのにぴんぴんしてる。


最近右足をくじいた俺が言うのもおかしいかもしれないけど、元気になるの早すぎない? 若いと治りが早いってやつ?



……そういうわけじゃ、なさそう。




「いくらやっても立ち上がってくる……。気味が悪い」


「イカれてやがる」




薫が蹴り飛ばしても、柏がぶん殴っても

倒れたはずの男たちは何度も起き上がる。


まるでゾンビのように。




「前もこんな感じだったのか?」


「い、いや……、俺は避けたりベルトを投げたりしただけだったから……」


「こいつらの痛覚マヒしてんじゃない?」