負け犬の傷に、キス



はああ、ショック。

俺にしてはいい作戦だと思ったんだけどな。




「キユーはクレープもういいの?」


「……食べる」


「食うんかい。んじゃあ俺も」




えっ、柏もまた買うの!?

さっきおかわりしてたばっかじゃん!


柏の手元を見てみれば、既に何もなくなっていた。


薫のはまだ半分以上も残っている。




「希勇、早く買えよ」




食べるのも早ければ、買うのも早いな。


柏の3つ目のクレープは、ピザ風のものだった。



俺は何にしよう。

いちごとカスタードクリームのやつにしようかな。



注文してできあがりを待つ。


一応右見て、左見て

……あ。




「津上さんだ」




学校帰りだろうか。


やや距離があっても、目が合ってるのがわかった。



話しかけに行こうか。

あ、でも今声をかけたら、昨日薫が言ってたようにまた巻き込んじゃうかもしれないしなぁ。



そう不安になってるのは津上さんも同じようで。


お互い距離を保ったままペコリと頭を下げた。



よそよそしかったかな。

せっかく知り合えたんだし、もっとフレンドリーになるべき?


あ、そうだ。手でも振って……


すると両肩がズンと重くなった。




「あ、昨日の白薔薇の子じゃん」


「へぇー、あの女が?」


「か、薫! 柏!」




右肩に薫、左肩に柏の腕。

問答無用で、振ろうとした手を下げられる。


体重かけるな! 重い!