負け犬の傷に、キス




やっぱり思い過ごし、だよな。




――♪♪


不意に通知音が鳴った。




「ごめん、俺のだ」




俺は一言ことわってから携帯を取り出す。


新着メッセージが届いた知らせが来ていた。

誰からだろう。



『津上夕日』



登録したばかりの名前だった。




『さっき昨日ナンパされたところで、昨日のことを聞かれたの。騒ぎのことじゃなくて、草壁くんについて知りたがってた。

ちょっと怖くて「わたしもあまり知らないんです」って答えて逃げちゃったけど、一応報告しておこうと思って』




俺について……?


どうして……。



わざわざ津上さんに聞いたのも、内容が俺のことなのも不審すぎる。


津上さんを狙ってるなら質問だけじゃ終わらないだろうし、俺のことを知りたいなら津上さんじゃなくてそこら辺のヤンキーに聞いたほうが早い。


ただのミーハーな野次馬か?



あー、わけわからん。




『教えてくれてありがとう。何もされてない? 大丈夫?』


『大丈夫! 聞かれただけだったから』




すぐ返信がきた。


本当に質問だけだったんだ。

よかった。津上さんが無事で。




『その聞いてきた人って、どんな人だった?』




まさか例のポニーテールのヤツじゃないだろうな。

それとも俺の知ってる竹刀のヤツか?




『中学生の男の子だったよ』




……え?

ちゅ、中学生?



よけいに頭が混乱してきた。