負け犬の傷に、キス



高めのポニーテール……。


そういえば、昨日俺に突然竹刀を向けてきた人もポニーテールだったな。




「その人、竹刀持ってた?」


「……どうだろう。本当に少ししか見ていなかったので。持っていた気もしますが……。めずらしい数え方をするポニーテールの人としか」


「男か女かはわかる?」


「たぶん、男の人かと。声が低かったですし、体つきも男の人っぽいなって感じました」


「……そっか、ありがとう」




あの長髪男子と出くわした付近にいたとなると、同一人物だろうか。


うーん……微妙だな。

もっとわかりやすい決め手があったらいいのに。




「キユー、何か知ってるの?」


「いや……ちがう人かも」


「怪しい奴ごろごろいすぎだろ」




柏は疲れたようにソファーの背もたれに体重をあずけた。



昨日の長髪男子は、怪しいって感じじゃないんだよなぁ。


嫌な感じはしなかった。

いい人なのかはわからないけど。




「ちなみに、西校にポニーテールの美男子っているっけ、薫」


「さあ? 少なくともうちの学年には、そんな目立つヤツはいないよ」


「だよなあ……」




うちの学校に、腰あたりまで長い髪の男子はいないよな。


長くても、薫みたいに肩につくかつかないかくらいだもんな。