うん、まあ……外れてはない、かな。
ひどくきれいなフィルターにかけられていて、内心むずがゆいけど。
「望空ちゃんの言う通り、俺たち双雷は強いかもしれないけど危険だし、傷だって絶えない。仲間内も、ケンカをふっかけてくるヤツも、だいたい不良だからな。双雷の評価がいくら高くても、やばいヤツらばっかりなんだよ」
「そーそー」
「他人ごとみたいにしてるけど、ビーヤンがやばいやつ代表だからね」
「薫もなかなかにやべぇだろ」
「は? どこが?」
おいおい。
会話の外で兄弟ゲンカ始めるなよ。
「俺たちはいい人ぶって何かしらを守ろうとすることも多いけど、賞賛されるかはわからない。逆に怒られるかもしれない。双雷に入ったことを後悔するときが来ることだって大いにあり得る。それでも入りたいと思う?」
「うん、入りたい。お兄さんたちの仲間になりたいです」
ウソだろ。即答!?
考えを変えはしなくても悩むと思ってた。
薫と柏も面食らって、口論をやめていた。
「あたしは強いけど……強いだけ。自分を守るために空手を始めたから、自分の守り方しかわからなかった。だけどお兄さんがあたしを命がけで助けてくれたり、お姉さんのことをかばったりしてて、すごいなって思いました。あたしもお兄さんみたいにだれかを守りたいって!」
「そっか。キユーに憧れたんだね」
「はいっ!!」



