負け犬の傷に、キス




「さすがに発信源までは突き止められませんでしたが……」


「いやいや十分すごいよ!?」


「こんな芸当フツーできねぇよ!?」




俺とユキがほめちぎれば恐縮そうにした。


博くんは過小評価しすぎだよ。

俺なんかあわててるだけだよ?




「犯人の声に雑音は入ってなかったから、外じゃないよね」




繁華街の大通りに浮かぶ赤い点を、薫の指先がなぞる。




「写真からして室内だからな。ビル群も考えられねぇ」




柏は地図の端をトントンと示し、さらに赤い点を減らしていく。



残ったのは3か所。


繁華街のお店。

白薔薇学園近くの住宅。

駅近の公共施設。




「可能性が高いとすれば……」




ほとんど直感で地図の真ん中を指差した。



白薔薇学園の近くにある住宅街。

そこから連絡してきた気がする。


もう移動していることも考えられるけど、今ならまだ近辺にはいるかもしれない。




「僕もそう思いました」


「目撃情報がねぇからな」


「移動距離的にもそこだろうね」


「あとの2か所は下っ端に頼もうぜ」




みんなも同じ意見だったんだ!

本当にただの勘だったんだけど……自信がついてきた! みんなが言うならきっとここに違いない!




「善は急げ! 早く行こう! 今すぐ行こう!」




いてもたってもいられず、広間の扉を豪快に押し開けた。