ほとんど反射に近かった。


立ち上がって発した数秒後、自分が何を言ったのか理解し、
そのさらに数秒後、イスを倒していたことに気づく。




「……え?」


「ど、同盟?」




思わず振り返った博くんとユキだけでなく、




「はあ?」


「なに言ってんだこいつ」




薫と柏まで唖然としてる。


だ、だってさ!
口から出ちゃったんだよ!


俺、バカだから、これくらいしか思いつかなかったんだ。




「ど、同盟になったら、助ける理由ができる!」




もう無関係じゃない。

交換条件もいらない。


いつだって協力し合えるよ。




「同盟……それだけの理由で……」


「そうかな? 俺には十分すぎるくらいの理由だよ」




博くんは信じられなさそうにしてるけど、俺にとっては単純な話なんだ。


俺を助けてくれて、俺も協力した2人を、簡単に見放せないんだよ。




「は、……ははっ」


「ゆ、ユキ?」




わ、笑われた!?

なんで!?


失笑したはずのユキの眼差しは、だんだん冷めていった。




「俺らにとっちゃすげぇいい誘いだが……いいのか?」


「え? 何が?」


「薫さんが言ってた通り、俺らには秘密がある。こんな怪しい俺らと同盟を結べるのか?」


「うん」




え、ダメ?