なのにどうして急に線を引くんだよ。
「はい、もちろんです。相手は僕たちの標的ですので」
「で、でも……無茶だよ!」
「無茶でもやらなければいけないんですよ」
淡々と言ってのける博くんから、わずかに焦燥がにじんでいた。
「は、博く……!」
「これは僕たちの問題です」
違うんだよ。
俺が言いたいのはそういうことじゃなくて。
『僕たちの問題』にしないでほしいんだ。
「ここまで関わらせておいて、ずいぶん他人行儀だね」
薫はテーブルの真ん中に手を置き、上半身を向かい側に近づけた。
声量をうんと落とし、低く問い詰める。
「あんたたち、まだ何か隠してるでしょ」
隠してる……?
何かって、何?
博くんとユキは何も言わずに席を立った。
「本当に、ありがとうございました」
「じゃあな」
そっけなく背を向けて扉に手を伸ばす。
これが最後?
こんな中途半端なまま?
……ダメだよ。最後にしちゃダメだ。
無法地帯で傷つけられるかもしれないのに黙って見送れない。
待って。
ねぇ待ってよ。
俺は
……俺はね
最後まで協力したいよ。
「ど、同盟、組もうよ!!」



