あ、こういうとこがお人好しなのかな。




「……バカキユー。あんぽんたん。いつかくっそ高いツボ買わされて泣きわめけ」


「はいはい。心配してありがとな、薫」




最後の呪いはやめてくれ。切実に。

そんな未来は嫌だ。




「標的っつーのを教えろ」




仕方なさそうに柏が話を進めた。



たぶん柏も薫と同じ反対派だった。


ごめんな。でもそう聞いたってことは俺の決断を受け止めてくれたってこと……だよな? 面倒になったからじゃないよな? な!?




「現在僕たちが追ってる標的は10名。お兄さんに協力してもらって、この人たちを全員捕まえます」




博くんの声のトーンが下がった。


テーブルに10枚の写真が並ぶ。

その中にはあの男5人組のうち、逃亡した2人も含まれていた。




「あ、こいつら、昨日ケンカ売ってきやがったヤツらだ」


「えっ!? 柏、いつの間に……」


「格下の族のヤツらでしょ? ケンカ買ったの?」


「当然。一回殴ったら逃げてった。ゴミクズだったぜ」




3枚の写真を指差しながら真顔で見下す。

それは柏が強すぎたんじゃ……。




「その3人といい不良が多いみたいだけど、どうしてこの人たちを狙ってるの?」


「この2人と戦ったときどこかおかしくはありませんでしたか?」




クレープ屋近くで倒しそこねた2人の写真を、博くんの手で俺のほうにずらされる。