助けてくれたのは全部計算だったってこと?
それで怪しく感じたのか。
そこまでして俺を――双雷の総長を、頼りたかったんだ。
さっきのことを小さい恩って言ってるし
2人の協力してほしいことは、どれほど大きなことなんだろう。
せめて俺の手に負えるものであってほしい……。
「その協力してほしいことって?」
「助け出せたらお話します。お兄さんたちも聞きたいことがあるんですよね?」
「う、うん」
ああそうだ、聞きたいことね。
忘れるところだった。
この男の子が俺のことを探っていたんだっけ。
あれも計算のうちだったのだろうか。
「それも助け出したあとにお答えしましょう」
慎重だな。
協力してくれる時点で、成功しようが失敗しようが、条件は成立しているのに。
ますます何を頼みたいのか気になる。
「協力するって言ってるんだから、こき使ってやればいいよ」
言いよどんでいると、薫が上から目線に条件をのんだ。
意外だった。
怪しさを自らかもし出す彼らを、いっときでも味方にするのは危ないとかなんとか言って、断固として反対すると思ってた。
ニヤリとする薫を横目に肩をすくめる。
何を企んでるんだか。
「キユーは、今は、あの子を助けることだけ考えてればいいよ」
この2人は任せろ、と言わんばかりだな。
助けるけども。



