薫が言うと尋問みたいだろ!?
せっかくのフレンドリーさをぶち壊すな!
「そうですね……。僕たちもちょうどお話したいことがあったのでお言葉に甘えて」
「話したいこと?」
あ、だから危険を承知で合流地点をここにしたのか?
話って何だろう。
温度のない笑顔を絶やさない男の子も
竹刀を常備する長髪男子も
大事なところはあいまいにする。
どこか不気味なのに、どうしても敵だとは思えない。
「それじゃあ中へどうぞ」
俺は重厚な扉を開けて招き入れる。
ホールにいた下っ端にあいさつを返し、出入口から右手にある広間へ案内した。
男の子と長髪男子がホールに踏み入れたとたん、薫と柏が殺気立ちながら立ちふさいだ。
「なに企んでやがる」
「うちの総長をだまして傷つけたら許さないから」
「……傷つけるなんてそんな」
本気の脅しだった。
冗談ぽく一笑する男の子の目は笑っていない。
反対に長髪男子は嬉々としていた。
「……怖いですね」
双雷の副総長と幹部の殺気を受けてもなお、微塵も動じていない。
冷気すら漏れ出ているような幼い口角が、静かに下がっていった。



