「うん、ありがとう千草。......あ、そうだ!もう一つ頼まれごとしてたんだった!」



制服のブレザーのポケットをあさって、千草にわたしてほしい、と広野みゆちゃんから頼まれていた紙切れを取り出す。


少し折れ曲がってしまってるけど、仕方がない。



「はい、これ」



そっぽを向いている千草の左手に、紙切れをひとつ握らせた。

大きな手のひらの中に女の子からの愛の結晶。本当に羨ましい限りだし、千草ばっかりずるい。


私なんて告白さえされたことないのに。