「・・・今日、青、・・・ん、と、白崎、に何か言った?」 相変わらず、相手の声はかすかにしか聞こえない。 クリアに聞こえるのはすぐそばにいる千草の声だけで。 相槌をうつ千草。 にこりと笑いもしない。 だけど、声は優しい。 ……不機嫌な声で、いいのに。 「うん、彼女はいない」 手を離してくれないくせに。 瞳だって、さっきから一秒たりとも逃がしてくれないくせに。 「・・・でも、好きな子、いる」 _____はやく、電話なんて、切って、ばか。