好き、と伝えることもなく、終わりを迎える私の初恋だ。
それと同時に、大切にしてきた関係も終わってしまうだろう。
初恋は実らない、って言うけど、まさか誰かの恋を実らせるためのスパイスとして散っていくなんて、哀れでひどく滑稽だ。
ずっと、一緒にいたのに。
こんなふうに終わることになるなんて、思いもしなかったんだ。
これからは、
不機嫌な顔も、笑った顔も、怒った顔も、切なげな顔も、意地悪な顔も、ぜんぶ、ぜんぶ。
広野みゆちゃんの、ものだ。
私は、もう、手放すよ。
足取りは、重くなる。
はやく解放されたいって切に願う私の方が強いけれど、永遠に家につかないで、このままふたりで歩いていたい、なんて未だに思ってる私もかすかに心の奥には存在していて。
だって、今日で、最後だ。
きっと、私が、
二人の恋のキューピットになる。



