たどりついたその先に、千草が待っていた。だけど、きっとそれは答えじゃない。
それでも、自分の気持ちは加速していく。止められないの。止めたい、とも思えないくらいに、今私に触れている目の前の千草が欲しいと思ってしまう。
ゆうのことも広野みゆちゃんのことも、千草が私に触れたせいで、何も考えられなくなった。
考えないといけないのに、千草のことしか考えられない。
「……私が幼なじみに戻りたいって思っても、そういう態度でいても、千草は応えてくれなかったっ………なのにっ、」
「うん、」
「ぅっ、……私だけ、いいよっていうのがやだっ……」
「ごめん。でも、言って。……お願い」
「うぅっ、……私だって、ずっと幼なじみに戻りたかったっ、……」
涙が止まらないその隙間で、今言ってふさわしい言葉だけを選んだつもりだ。
嘘と本音の間に、私と千草の代名詞を埋め込む。
泣きわめきたくなかったのに結局は泣き喚いてしまっている。それに、意地を張るのもそろそろ難しくなっていて。
不本意で、簡単で、そんな自分が嫌だけど、千草の切ない表情を瞳にうつしたら、どうしてか魔法にかけられたように、いいよ、と許す言葉が口から滑り落ちた。



