「あ…」




思わず、小さく声をもらしてしまった。

足が無意識に止まる。





たどり着いた先。それをつかみとるなんて、本当は夢見事。たぶん、これは不正解だ。


なのに。

神様ってきっと私を馬鹿にしてる。





先に帰ったくせに。
ここにいるから って言ったのに、最後までいなかったくせに。


なんで?とか、いつから?とか頭の中ではたくさんの疑問詞が飛び交っている。表情に気をつかう余裕もなく、きっと、今かなり間抜けな顔をしているだろう。



私が不意に出してしまった声が相手の耳にはしっかり届いてしまったらしく、その顔がゆっくりと私の方を向く。