結局、ゆうが教室を出ていってからけっこう長い時間、机に伏せたままでいた。


気がすむまで泣いて、勝手にすっきりして、ゆっくりと顔を上げれば、ほんのりとオレンジ色の淡い光が窓の外から差し込んでいて。



私は決心して、立ち上がる。

いつまでもこんなところにいられない。






空き教室を出てすぐに千草の姿を探したけれど、廊下はしんと静まり返っていて、誰もいない。




ここにいるから


そう言ったのに嘘つきだ。



辺りを見渡しても人がいる気配はない。




千草、先に帰ったのかな。


ゆうが出ていったから、もういい、って判断したのかもしれない。必要以上の心配も情けもくれない。昔とは本当に大違い。





だけど、それでいい気がした。

今日は、誰にも会いたくない。
というよりも、会うべきじゃない、って思うの。自分を甘やかしたくない。


千草には早いうちにお礼だけできたらいいな。ありがとう、って。それと、ごめんね、も。

それを言うくらいだったら、拒まないで受け入れてくれるかな。