頭が、真っ白になる。
何してるの?
なんて、そんなに何も知らないわけじゃない。
焦げてしまうくらい、身体が熱い。
つばを飲み込むと、その音がやけに耳に残った。
今すぐ二人から目をそらしたいのに、呪いにかけられたように、見てしまう。
広野みゆちゃんの腕が千草の背中に回る。
ふわりとゆれるワンピースの袖の部分。
角度が少し変わる。だけど、二人は一向に離れない。
呼吸が苦しい。本当は、立ってるのがやっとなくらいで。
少しでも自分を落ち着かせようと、ゆっくり瞼をとじる。真っ暗闇になった世界のほうが、私には明るかった。
それから、恐る恐る、目を開く。



