「ゆうはね、恋を教えてくれるって言ってくれたの」
「川瀬くんらしいね。でも、教わるような恋なんて、たかが知れてるよ。落ちちゃうの、急に。もしくは、知らない間におちてたことに気づくんだと思う。ドキドキとかときめきとか、全部が恋と重なるわけじゃない、って私は思うよ」
妃沙ちゃんの言葉が、心に響く。強かな妃沙ちゃんを前に、思わず背筋をピンと伸ばしてしまった。
おちた先は、暗い?どんな感じ? 恋って怖いものなのかな。
「ー青、後悔はしないでほしい」
妃沙ちゃんの真剣な瞳に、私は頷くことしかできなかった。



